論文

東日本大震災や熊本地震、多発する気象災害に直面した際、分譲マンションに生じた被害や影響をハード面とソフト面の両方で明らかにすると共に、復旧・復興に向けての課題について実務・法律面等多角的に調査研究を行った。また、災害後の被害の程度を把握し、各種支援制度等を活用し、合意形成を図りながら復旧復興に取り組む流れを明らかにした。さらには巨大地震などの大規模災害に対応する管理規約案や使用細則案を例示した。

熊本地震は、被災マンション法の改正で敷地売却が定められてから初の巨大地震であり、災害からの復興のリーディングケースとなった。本調査研究では、全員合意に基づいて建物取壊しと敷地売却を成功させた新耐震基準のマンションの被災直後からの管理組合の活動を時系列で詳細に記録した。また、地震の揺れによって隣地ビルがマンションを破壊した事例をもとに隣地ビル所有者への訴訟や法的解釈などを論じた。